国力ということ

花屋で働いているとき、そこは有名なホテルのロビーにあったので、普通に生活していたら会えない人を見る機会がたびたびあった。

その中で、一番素敵だなと思った人は、男性ではアメリカのパウエル元国務長官で、女性ではフランソワーズ・モレシャンだった。

パウエルは、洋服の上からも鍛えた身体がわかり、頭脳の明晰さを人柄が支えているようで、知性が鎧を着ているってこういうことかと思わせる風貌だった。

フランソワーズ・モレシャンの美しさは、言葉で表現するのが難しいが、一言でいうとエレガント、だろうか。ロビーに立つ彼女とその周囲だけが映画のワンシーンに見えてしまうほどだった。

後で思ったのだけど、あれは結局国力の差ではないか。 パワーという意味でアメリカの、文化という意味でフランスという国の国力を示していたように思う。

いつかこの二人以上に魅力的な日本人に出会える日がくればいいと思うけれど…。